玩具や教材はなるべく子どもの手の届くところに置き、自分で取り出して遊べるようにします。おとなの方が手を出しすぎたり子どもに教えることを良い遊びだと錯覚してしまうことで、子どもの好奇心や意欲の芽を摘んでしまいます。人として生きるための大事な力(意欲、思考力、集中力など)は遊びに夢中になることによって養われます。「遊んでばかりいて困る」のではなく、「どんどん遊べるようにしていく」ことが大切だということを理解してほしいと思います。
おとなの指示に従っている子どもが「良い子」だと思われがちですが、それはだんだん指示されなければ何もできない子、自分で考え自分で判断することをしない人間になってし まう危険があります。 自分で考え、自分で選択し、行動できる子、自分の力で生きようとする子どもに育てたいと思っています。
子どもの個性を重視し自由に遊ぶ中で保育教諭は見守る姿勢をとっていますが、ただ危険がないように見ているのではなく、それぞれの子どもの発達段階を見極めて「今、この子にこういう援助をするとまた伸びるものがあるだろう」というところを的確に捉えて援助するようにしています。何があっても「見ていることが大事」ではなく、「見守っていて」と子ども自身が望み、それが「きっとこの子の活動の発展や発達のプラスになる」と判断したうえで行うよう心がけています。
保育教諭が手出しや口出しをすれば短時間で事が運んだり見てくれがいいものができますが、自分たちの気持ちをコントロールされているようで子どもに充実感は得られないでしょう。人に迷惑をかける時や命の危険がある時はしっかりと向き合いますが、「主体は園児であり、保育教諭はなるべく援助者であれ」という考え方をしています。